こんにちは、よしこばです。
先日記事にしたとおり、新型コロナの影響が出始めたので、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス特別貸付と、持続化補助金の申請を行いました。このときに感じたのが、税務申告と帳簿作成をきちんとしておくことの大切さ。
この経験について、先日ライター仲間にzoomでセミナーを開催したのですが、まだまだ不安に感じられている人が多いように思いましたので、今回はこのあたりの事情をお話します。
新型コロナウイルス特別貸付の条件
日本政策金融公庫の新型コロナウイルス特別貸付は、融資額3,000万円、返済期間3年以内であれば、無利子・無担保で融資を受けられるという非常に有利な制度です。
<日本政策金融公庫ホームページより>
無利子なら、金利の負担がないので、とりあえず借りておいて、使わなければそのまま返すという方法を取ることができます。僕の場合、300万円の融資を受けたわけですが、今後、売上が減った場合への備えと考えているので、売上が減らなければそのまま返済します。つまり、保険として考えているわけです。
では、新型コロナウイルスの条件をここで確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的に業況悪化を来している方であって、
次の(1)又は(2)のいずれかに該当し、かつ、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれる方
(1)最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方
(2)業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している方
① 過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
② 令和元年 12 月の売上高
③ 令和元年 10 月から 12 月の平均売上高
少し長いですが、僕のような起業して1年1ヶ月以上経っている人なら、前年もしくは前々年と比較して売上が5%以上減っていれば条件をクリアする、ということです。
なお「最近1ヶ月の売上」が基準になるという点には注意してください。ライター仲間から聞いたのですが、仮にコロナの影響で売上が下がったとしても、その後持ち直したような場合、新型コロナウイルス特別貸付の要件を満たさなくなります。売上が下がったら、速やかに手続きをしておく必要がある、ということです。
どうやって売上減少を証明する?
上記のとおり、新型コロナウイルス特別貸付を受けるには、売上減少という事実が必要です。そしてそのことを示すには、帳簿をきちんとつけておく必要があります。
僕の場合、日本政策金融公庫の担当者と面談をする前に、帳簿の入力を急ぎ終わらせました。そして、以下の書類を準備したうえで当日を迎えました。
- 前期の決算書(貸借対照表、損益計算書)
- 前期の勘定科目内訳明細書
- 当期の月次表
- 当期の仕訳表(売上)
これらの書類は、すべてクラウド会計ソフトfreee のレポート機能から出力しました。フリーランスになって以来、ずっとfreeeを使っていますが、本当に便利ですね。あっという間に必要な書類を手に入れることができました。ちなみに以下はfreeeの画面です。
こうした書類を用意していたので、公庫の担当者との面談は非常にスムーズでしたね。5分ほどで新型コロナウイルス特別貸付の条件に合致することを確認し、その場で申請書類を書きました。さらに、追加で提出を求められたのが、以下の書類です。
- 前期の法人税申告書・納付書の写し
これは自宅に保管してあったものをコピーして、FAXで提出しました。普段から申告関係書類もなくならないように整理しておくと安心ですね。
持続化補助金の場合は?
持続化補助金は、販路開拓の取組みに対して、費用の2/3にあたる補助金を支給される制度です。この補助金には上限額があるのですが、僕の場合、過去に市の創業支援制度を受けていたので最大100万円となっていました。
この補助金を申請する際も、前期の決算書(貸借対照表・損益計算書)を提出する必要がありました。個人事業主の場合は、直近の確定申告書と、所得税青色申告決算書もしくは開業届が必要です。
さらに、持続化補助金は審査制になっているのですが、新型コロナウイルスの影響で前年同月比10%以上の売上減があった事業者は加点される仕組みになっています。ここで必要となったのが、市区町村による売上減少の証明書でした。
この証明書を発行するときも、freee のレポート機能が役立ちました。僕が市役所に証明を以来したのは、3月20日頃のことで、その時点ではまだ3月分の売上は締めていません。そのため、2月21日から3月20日までの範囲指定をしてfreeeから売上の仕訳表を出力して持参したところ、この数値を基準にして、売上の減少証明書を発行してもらうことができました。
こうして無事に3月31日期限の持続化補助金に申請をすることができ、今は結果待ちです。持続化補助金のことを知ってから申請期限まで2週間ほどしかなかったのですが、無事に間に合ったのは帳簿関係書類をスムーズに出すことができたからだと思います。
中小企業200万円、個人事業主100万円の給付金に備えて、帳簿を整えておく
新型コロナウイルス感染症に関連する支援制度のうち、今後注目すべきなのが「持続化給付金」です。報道でもときどき出てきますが、あらためて条件を確認しておきましょう、
支給対象
1 新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している者。
2 資本金10億円以上の大企業を除き、中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者を広く対象とします。また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象となります。
支給額
法人は200万円、個人事業者は100万円
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分を上限とします。
支給額の計算方法
前年の総売上(事業収入)―(前年同月比▲50%月の売上げ×12ヶ月)
対象期間
2020年1月から2020年12月のうち、2019年の同月比で売上が50%以上減少した一ヶ月を基準として計算
申請・給付時期
補正予算の成立後、1週間程度で申請受付(電子申請あり)
必要な書類(法人の場合)
- 通帳の写し
- 法人番号通知の写し
- 2019年の確定申告書類の控え
- 減収月の事業収入額を示した帳簿等
必要な書類(個人事業主の場合)
- 通帳の写し
- 本人確認書類
- 2019年の確定申告書類の控え
- 減収月の事業収入額を示した帳簿類
今から準備を!
このように、給付金の申請に必要な書類は、融資や補助金と共通しています。こうした書類がないだけで200万円、100万円という大きな給付金を受け取れなくなるので、今からでもしっかりと準備をしておきましょう。
繰り返しますが、僕が使用していて、お勧めするのはfreeeです。月額1,000円程度のスタータープランでも帳簿作成はできるので、検討してみてください。