こんにちは、よしこばです。
最近は自宅の買い替えに関する話題が続いていますね。おかげさまで購入は無事に済みましたが、これから引っ越しと自宅の売却という流れなので、まだまだ落ち着きません。
さて、このたび約12年ぶりに自宅を買い換えることになったのですが、これは前回記事にしたとおり税金のことも影響しています。
おかげさまで自著の売れ行きが好調で、それなりの収入になる見込みなのですが、放っておけば税負担も大きくなってしまいます。
つまり、より節税を考える必要性が高まったわけですが、一般的な節税策は、こうした臨時収入に対処するには力不足です。たとえば生命保険料控除には控除額の上限がありますし、全額控除となる小規模企業共済等掛金控除も、そもそもの掛金に上限が設けられています。
こういうときに検討したいのが、「譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」というものです。今回は、この特例について解説したいと思います。
損益通算・繰越控除とは
そもそも言葉を知らない人も多いと思うので、説明しますね。まず「損益通算」というのは、ある所得で出た損失を、他の所得から差し引けるという特例です。
不動産を売却すると、たいていは購入時より値が下がっているので売却損となります。この損失は、給料や事業で得た所得と合算することができません。
ただ、特例を使うことで、合算できるようになります。たとえば自宅の売却損が500万円で、事業所得が600万円なら、これを合算した100万円を基準に税金を計算するということですね。節税効果はかなり高いです。
次に「繰越控除」とは、損益通算しきれなかった損失があった場合、翌年以後最長3年間繰り越せるという特例です。
たとえば売却損が1,000万円、事業所得が500万円だと、損失のほうが多いですよね。この使いきれなかった損失を繰り越すことで、翌年以降も節税効果を得ることができます。
自宅を売って損益通算・繰越控除をするには
僕はこのたび自宅のマンションを売るのですが、購入したときの費用や、売却するときの費用を鑑みると、いくらか損失が出る見込みです。
この損失を損益通算・繰越控除をするにはいくつかの条件があります。代表的なものをリストにします。
- 売却する年の1月1日時点で所有期間5年を超えるマイホーム
- 床面積は50㎡以上
- 自宅を買い替えて、翌年12月31日までに居住する
- 新居を取得した年の12月31日時点で、新居にかかる10年以上の住宅ローンがある
細かな条件はこんな感じです。僕のように家族用の自宅を買い換える人は、たいてい該当するのではないでしょうか。
実は、自宅を買い換えない場合でも損益通算・繰越控除を使える特例があるのですが、こちらは条件があまり良くありません。損失として認められる金額が少なくなってしまうんです。
ということで、節税を考えるのであれば、買い替えたほうがいい、ということになります。
特例を使うタイミングは慎重に
損益通算・繰越控除の特例は、上記の条件のとおり頻繁に使えるものではありません。5年以上の所有期間が必要という条件がありますし、そもそも頻繁に自宅の買い替えはできませんからね。
だから、使うとしたら慎重に考えたほうがいいと思います。収入が低いときにこの特例を使うと、節税効果が少なくなってしまいます。
日本の所得税の税率は5〜40%の累進課税となっています。ということは、所得が多く、税率が高くなるタイミングで特例を使ったほうがいいですよね。
僕は、収入が増えそうな今年を狙って自宅の買い替えをしたわけですが、これから少なくとも5年はこの特例を使うことができません。なので、この期間に収入が増えたら、おとなしく納税をしようと思っています。
ただ、損益通算・繰越控除は、住宅ローン減税と併用することができるので、損益通算のメリットが消えても、住宅ローン減税の節税効果は続きます。2021年12月31日までは優遇期間で住宅ローン減税の期間が13年間に延長されているので、これはありがたいです。
住まいを通じた節税方法は色々とあります。最後に、気をつけるべき条件をまとめておきますね。何かお役に立てると嬉しいです。
- 家を買うなら、登記面積50㎡以上
- 自宅の一部を事業用にするなら、全体の10%以下に
- ローンの繰り上げ返済をするのは、住宅ローン減税の期間が切れてから
- 親から住宅取得の資金贈与を受けるのもあり
- 売却損が出るなら、買い替えが有利