こんにちは、よしこばです。
8月に入ってからは、仕事の合間を見て法人化の手続きを進めていました。
このあたりのことも、まとめて記事にしようと思っていたのですが、やること・考えることが次々に出てきて、いっこうに記事にするタイミングがなく、ここまで間が空いてしまいましたね……。
ということで、考えを改め、ちょっとずつでも記事にしていくことにしました。たぶん、一気にまとめると決行なボリュームになりそうですし。それでは、今回は前回の記事の続きで社会保険のことをお話したいと思います
このまま個人事業を続けると、社会保険料はこうなる
前回の記事でも書いたとおり、個人事業主の場合、支払う社会保険料は「国民健康保険料と国民年金保険料の合計」となります。国民年金保険料は月額16,340円と一律ですが、国民健康保険料は「世帯の人数」や「所得」に連動します。
仮に、所得が500万円として私の世帯構成(5人家族)で考えてみましょう。なお、国保の計算は市区町村によって異なるため今回は私の住む埼玉県八潮市の算式で試算しますが、大まかな流れは同様なので、参考にしてみてください。
国保は、「医療分」「後期高齢者支援金等分」「介護納付分」という区分があり、このうち介護納付分は40歳以上になるとかかるものです。そして、各区分は所得に連動する「所得割」と世帯人数に連動する「均等割」で構成されます。それでは、具体的に計算を見てみましょう。
【医療分(上限は540,000円)】
所得割:(所得500万円−33万円)×7.3%⇒340,910円
均等割:1人あたり28,000円⇒140,000円
合計:480,910円・・A
【後期高齢者支援等分(上限は190,000円)】
所得割:(所得500万円−33万円)×2.2%⇒102,740円
均等割:1人あたり13,000円⇒65,000円
合計:167,740円・・B
【介護納付金分(上限は160,000円)】
所得割:(所得500万円−33万円)×2.0%⇒93,400円
均等割:1人あたり10,000円⇒50,000円
合計:143,400円・・C
【年間の国民健康保険料】
A+B+C=792,050円
という結果になりました。国保の保険料に加え、国民年金の支払い(夫婦で年間392,160円)あるので、合計すると年間の社会保険料は1,184,210円ということですね。やっぱり高い……。
法人化すると社会保険料はどうなるの?
それでは、法人化した場合の社会保険について見てみましょう。法人成りすると社会保険料は「健康保険料と厚生年金保険料」の合計になります。さきほど紹介した国民健康保険や国民年金の計算とはまったく違いますので、仕組みを簡単にでも理解しておいた方がいいと思います。
とはいえ、計算方法は、「標準報酬月額×保険料率」というシンプルなものなのでご安心を。「標準報酬月額」とは、細かい点を省略して説明すると、「毎年4月から6月までの給与収入の平均値」をイメージしてください。
法人化すると、自分が役員になって、自分の会社から自分に給料(役員報酬)を支払うことになりますので、金額をどう設定するかによって社会保険料は変わってきます。この、「自分で決めた給与金額に社会保険料が連動する」というところがポイントです。個人事業主の場合、社会保険料を減らそうとすると、売上自体を減らしたり、経費を増やしたりする必要があるのですが、これでは本末転倒ですよね。法人になると、「会社の収入」がいくら増えても、そこから自分に支払う給料を上げなければ、社会保険料は増えないので安心です。
ということで、試しにどれくらい社会保険料が変わるのかを見てみましょう。僕の場合、僕が給料月額135,000円、妻が80,000円に設定しました。少ない金額に設定したのは社会保険料や所得税・住民税を減らすためです。
*「この金額で生活できるの?」「会社の法人税はどうなるの?」という疑問を持たれるかもしれません。この点はまた別の記事でご紹介できればと思います。
ひとまず、僕の設定した給料金額で社会保険料がどうなるのかを見てみましょう。ここで見るべきものが、「保険料額表」です。法人を設立すると協会けんぽという社会保険に加入することになるのですが、こちらのホームページでは、「保険料額表」を掲載しており、標準報酬に応じた健康保険料や厚生年金保険を簡単に調べることができます。
私の場合、埼玉県なので以下の保険料額表です。給料月額135,000円なので、等級は10級(赤枠で囲んでいる箇所)の行を見ます。
この表には、「全額」と「折半額」という表記がありますね。通常、会社員であれば社会保険料は会社と社員で半分ずつ負担することになるので、「折半額」を見ればいいのですが、僕のようにフリーランスから法人化する場合は、会社負担分も個人負担分も両方自分が負担するようなものなので、「全額」の列をみます。すると、保険料は以下のとおりの結果となりました。
【健康保険料】(小数点は考慮せず、40歳以上で介護保険分も支払うとして試算)
15,302円×12ヶ月=183,624円・・A
【厚生年金保険料】
24,522円×12ヶ月=294,264円・・B
【合計】
477,888円
いかがでしょう。さきほど個人事業主の場合、約120万円という結果でしたから、70万円以上もの負担を減らすことができるということです。ここまで減らすことができたのは、給与収入を低く設定したことに加え、僕が5人家族ということも影響しています。というのも、健康保険や厚生年金は、扶養親族の分の保険料を支払わなくてもいいからです。僕が独身であろうと、5人家族であろうと、何ら変わりません。
これはもう「法人化するしかない」というレベルの違いです。ビジネスで利益を70万円増やすのは大変ですけど、単に法人化すれば確保できるわけですから。ということで、一刻もはやく法人化しようと今準備をしています。うまくいけば来週あたりできそう。
よく、「年収が800万円を超えたら法人化した方がいい」といった話がありますよね。でもこれって、「1%の真実が含まれる嘘」くらいに思っていた方がいいと思います。税金も社会保険料も、年収だけに応じて決まるわけではなく、世帯の構成や年齢、生命保険の加入状況などによってまったく変わってくるので、「年収○○以上なら法人化すべき!」と言い切れないんですね。
これからも、フリーランスが使えるお金関係の情報をブログにしますので、ご興味のある方は引き続きお付き合いください。