こんにちは、よしこばです。
7月2日は国民健康保険料の第1期支払期日でした。実は僕がフリーランスになってから最初の国保の支払いになります。その前は公務員時代の共済組合に継続加入していたので。
それで、国保の納付書にこんなチラシが同封されていたのですが、これを見て「マズイな……」と思いました。どう見ても僕のような子育て世帯の負担が増えたようです。
ということで、あらためて公務員時代の社会保険の仕組みと、フリーランスになって加入する国保や国民年金を比較してみると、かなり金額が変わってきそうなんですよね。計算方法が違うことは知っていたのですが、具体的に数字を当てはめて計算せねばならんなと思いました。
ということで今回は社会保険(健康保険と年金)をテーマに書いてみたいと思います。
まず、自分の加入している保険を認識しましょう
具体的な試算をする前に、知らない方のために社会保険の仕組みを説明したいと思います。日本人は、「国民皆保険制度」というルールにより、何かしらの社会保険(健康保険と年金)に加入しているのですが、どの社会保険に加入するかは選択できるものではなく、仕事の内容などによって自動的に決まります。
社会保険をおおまかに区分すると、以下のようになるのですが、会社員と公務員の仕組みは、今はほとんど同じです(昔は公務員の制度が一番有利でした)。
それでは、まず健康保険の方から説明しましょう。会社員、公務員の保険料の算定方法を簡単に説明すると、
収入と連動し、世帯人数は関係しない
ということです。具体的には、毎年4月〜6月の給料収入を基準に算定された「標準報酬」に応じて保険料が決まりますので、「昇給したぞ」と思ったら標準報酬のランクがアップして保険料も増えてしまうケースもあります。
公務員や会社員の制度で有利な点は、「扶養に入れている家族がいくら増えても保険料は増えない」という点にあります。自分に課された保険料さえ払っていれば、ちゃんと家族全員分の保険証がもらえます。
一方、私のようなフリーランスが加入する国保は、
所得と世帯人数に連動する
という特徴があります。国保には所得と連動する「所得割」と世帯人数に連動する「均等割」があり、この合計額を支払うことになるため、会社員や公務員と違って、扶養家族が増えるほどに保険料は高くなっていきます……。僕の場合は5人家族なので、ここが結構響いてきますね。なお、所得割については、収入から経費を差し引いた金額を所得が基準となります。
年金はフリーランスが有利?
それでは、次に年金の方を見てみましょう。こちらも、会社員と公務員は標準報酬に連動しており、収入が増えるほどに年金の保険料も増えます。ただ、その分将来受け取れる年金も増えていくので、さきほどの健康保険と比べると「もったいない」感覚にならなくて済みますね。
会社員・公務員の場合、有利なのは「扶養に入れている配偶者の年金保険料を負担しなくてもいい」ということです。「国民年金第三号被扶養者」という制度なのですが、会社員や公務員の扶養に入っている配偶者は、自分の年金保険料を一切負担しなくても、将来の年金を受取ることができます。
それでは、フリーランスなどが加入する国民年金について説明しましょう。保険料はシンプルで、一律で月額16,340円。収入がいくらあろうが関係ありません。そうすると一見、会社員・公務員よりも有利な気がしますが、その分、老後にもらえる年金は少なくなりますので、別途国民年金基金やiDeCoを利用するなどの対策が必要になります。そうすると、国民年金は有利とは言えませんよね。
さらに残念なのが、国民年金の場合、配偶者を扶養に入れていても、「国民年金第三号被扶養者」にはならないという点です。世帯で考えると、いかに収入が少なかろうと、夫婦の年金保険料を納付せねばなりません。僕の場合も夫婦の分を払っているので、毎月32,680円が必要です(本当にピンチのときには免除や猶予の制度もありますが)。
あなたがフリーランスなら、ここで考えなくてはならないこと
さて、ようやくここに来て本題です。
さきほど説明したように、健康保険も年金も、仕事の状況によって自動的に決められるため、この記事を読んでいるあなたが会社員や公務員であれば考える必要はありません。「保険料が高いなあ」と思っても払うしかないからです。
ところが、僕のようなフリーランスの場合、状況は変わってきます。なぜなら、フリーランスはいつでも、会社員になることができるからなんです。どういうことか?
今や、会社を作る(法人を設立する)ことは簡単です。30万円程度用意しておけば株式会社を作ることができますし、予算10万円なら合同会社を設立するという選択も可能。ですから、フリーランスの人であれば、仕事を法人として受け、その収入の中から自分自身に給料を支払うことで、会社員と同様の扱いを受けることができるんです。
しかも、自分にどれくらいの給料を支払うかは自由ですから、保険料の支払額も自分でコントロールできるというわけです。これはフリーランスならではのメリットですよね。会社員や公務員の方が国保や国民年金に切り替えることはできませんが、フリーランスならば法人を使うことで選ぶことができるため、収入などの状況によって有利な方を選ぶことができるというわけです。
ただし、法人化することですべてがバラ色というわけではないことにご注意。考えなくてはならないことが色々とあるんです。
たとえば……。
・社会保険料の事業者負担がある
・家族を従業員にした場合の雇用保険などの問題
・税金(所得税と法人税のバランスをどうする?)
などなど。
ということで、今回の記事はこのへんにして、次回は具体的な数字で試算して、法人化することでどれくらい保険料が変わるかを見てみたいと思います。
そうだ。最後に、私が参考になると思う書籍をいくつか紹介したいと思いますので、保険や税をコントロールしたいと思っている人は、参考にしてみてください。
1 「いちばん詳しくて、わかりやすい お金の基本」(丸田潔監修)
とにかく税金とか社会保険とか全般的に分からない!という方におすすめです。大体網羅されています。
2 「新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ (橘玲著)」
橘玲氏による古典的な名著。黄金の羽根の拾い方、それは法人を設立することにあります。新版にアップデートされていますので、こちらをどうぞ。
3 「いますぐ妻を社長にしなさい」(坂下仁著)
投資に失敗して極貧生活を送られていた著者が、妻を社長にしたプライベートカンパニーを作ったことで、一気に節税(おそらく社会保険も節約)して復活した方法が書かれています。こちらは別記事でも紹介しますが、家族全体で考えると、税金や社会保険料の節約方法の幅は広がります。