こんにちは、よしこばです。
確定申告を終えて、還付金が出たという方もいらっしゃると思いますが、今回は受け取った還付金を使うのは、少し待ったほうがいいかもしれない、というお話をします。
還付金の受け取り後に、3つの税金、「住民税」「事業税」「消費税」の支払いが待っています。どんな税金を、いつ、どれくらい払わなければいけないのかを知って、納税資金の準備をしておきましょう。
*本記事の内容はYouTubeチャンネルでも公開しています。よろしければご視聴、チャンネル登録をお願いいたします。
最初に納税する所得税
確定申告で精算するのは「所得税」
あらためまして、確定申告をした方は、お疲れさまでした。私も2月末に終えることができました。通常、所得税の納税期限は毎年3月15日ですが、今年はコロナの影響で特例として4月15日になりましたね。
納税が必要な方は4月15日までに税金を納められたかと思いますが、それで所得税の手続きは終わりです。
なお、実際に納めているのは、所得税と復興特別所得税という2つの税金ですが、ここではまとめて所得税として説明します。
納税ではなく還付金が出る場合もある
納税ではなくて還付金が出た方もいらっしゃると思います。
フリーランスの収入は、源泉徴収というかたちで、あらかじめ税金が天引きされていますので、確定申告で必要経費を申告したり、何か特例を使ったりすると還付金が出てくる、ということがあります。そしてよく聞かれるのですが、この還付金そのものには税金はかかりません。
所得税の後に「住民税」「事業税」「消費税」が来る
だから、還付金はご自身の好きなように使っていただいて構わないのですが、ここで注意したいのが、僕たちが納税しないといけないのは、所得税のほかにもある、ということなのです。
それが「住民税」「事業税」「消費税」の3つです。
還付金を納税資金として残しておく
この3つの税金は、4月15日(例年であれば3月15日)以降に確定する税金なので、納税のための資金を取っておく必要があります。還付金をもらったという方は、この先十分な収入が見込める場合は別として、そうでなければ念の為、還付金を取っておいたほうがよいかもしれません。
このあたりの話は、とくに開業したばかりの方は知らないと思います。だから今回の確定申告で還付金が出たとしても、それをまるまる使い切ってしまうと、あとから来る納税ができなくなるおそれもあるので要注意です。
ということで、ここからは3つの税金がかかるのか、かからないのか。かかるとしたらどれくらいを見積もっておけばよいのかを解説していきます。
6月以降に納税する住民税
まず、どなたにでもかかる税金、住民税について説明します。
住民税は、所得税と同じように所得に応じてかかる税金です。所得税は国の税金で、住民税は地方税というかたちになっています。
住民税の手続きは必要ない
住民税の手続きは基本的には必要ありません。確定申告した情報が、税務署から、みなさんのお住まいの地域の役所に引き継がれ、それをもとに住民税が計算されて、6月に通知されます。
フリーランスには住民税の源泉徴収はない。だからほぼ納税。
所得税の場合は、源泉徴収というあらかじめ税金を天引きする仕組みがあるので、確定申告したときに、還付になったりする可能性があります。しかし、住民税は、フリーランスの方には源泉徴収の仕組みがないので、ほぼ確実に納税になるのです。
住民税の概算金額
じゃあ、住民税としてどれくらいかかるのか、という話をしますと、税率としては10%です。確定申告書の控えを見ていただいて、申告一表の右上の欄にある「課税される所得金額」に10%をかけてください。これで、おおまかな住民税を出すことができます。
納税資金の準備のためには、概算を把握しておけばよいと思いますので、詳しい説明は省きますが、厳密にいうと、所得税と住民税では課税所得金額の計算が若干違っていたり、均等割という納税者全員に年間5,000円ほどかかってくる住民税もあります。
とにかく、課税所得金額の10%くらいの住民税を、6月以降に納税しなければいけない、ということは覚えておいてください。
支払いは年4回(6月末、8月末、10月末、翌年1月末)の分割
そして、肝心の納税のタイミングなのですが、住民税の納税は年4回の分割払いで、6月末、8月末、10月末、翌年1月末に支払う必要があります。
事業税は8月以降
次に説明するのが、事業税です。これはフリーランスや個人事業主の方だけにかかってくる地方税です。
法定業種に該当し、事業所得が300万円以上になると課税
事業税の特徴は、地方税法で定められた法定業種に該当し、さらに事業所得が300万円以上の方にかかる、という点です。そして税率は業種によって違っていて、3〜5%で設定されています。
おそらくほとんどの事業がどこかのカテゴリに入ると思いますが、実は事業税がかからない業種もあることはあります。私のようなフリーライターや執筆業の場合、この法定業種には当てはまらないので、いくら事業所得があろうとも事業税はかかりません。
どの業種に何%の税金がかかるか役所のホームページで確認
どの業種に何%の税金がかかるのかは、皆さんのお住まいの役所のホームページを見ていただければと思います。検索サイトで「個人事業税 ○○県」と入力すると、おそらくすぐに見つかるかと思います。
とりあえず東京都のホームページを見てみましょう。法定業種ごとに税率が出ています。たとえば物品販売なら5%、デザイン業も5%、マッサージは3%といった感じです。
所得税の計算方法
もし皆さんのされているお仕事が法定業種に当てはまるのであれば、確定申告の控えの「課税される所得金額」で事業所得額を確認し、そこから290万円を引いて、法定業種ごとの税率をかけてください。
たとえばデザイン業なら税率5%ですから、事業所得1,000万円とすると、(1,000−290)×5%=355,000円という税額が出てきます。
1年間事業をしている人には290万円の控除がある
ちなみに、この290万円というのは事業主控除というもので、1年間個人事業を行っている場合に受けられる控除です。事業を行っている期間が1年に満たない場合の控除額は、月割りで計算して算出します。
手続き不要。納税は8月末と11月末
事業税も、住民税と同じように確定申告の情報が引き継がれるので、特に手続きは必要ありません。手続きをせず8月に通知が届くので、忘れた頃にくる税金ということになりますね。
そして、納税のタイミングは、原則として8月末と11月末の2回に分けて行います。
青色申告で控除された金額は事業所得に足さなければいけない
ちなみに、青色申告の方は注意が必要です。所得税は、確定申告で青色申告特別控除を使って所得を少なく申告できますが、事業税ではこの控除は使えません。
ですから、個人事業税を計算するときには、まず青色申告特別控除によって引かれた、最大65万円の金額を確定申告した事業所得に足してから、事業税の税率を掛けてください。
一般的なフリーランスであれば消費税は免税
最後に消費税です。フリーランスの方は、多くの場合かからない税金かと思いますが、ご自身が、消費税のかかる課税事業者なのか、かからない免税事業者なのかを確認しましょう。
年間売り上げ1,000万円が課税か免税かの目安
結論から言うと、年間売上が1,000万円なんてまだまだという方は、ここは気にする必要はありません。一般的なフリーランスの方であれば、売上1,000万円はそれなりに高いレベルなので、消費税を申告していないフリーランスは多いはずです。
ただ、仕事次第では臨時収入があって年間売上が1,000万円を超えるかもしれません。そういうときは、「消費税の申告が必要になる」ということを思い出してください。
消費税は前々年分の売り上げに対してかかる
消費税は、当年分ではなく前々年分、つまり今回4月の納税では、平成30年(2018年)分の課税売上高に対してかかります。所得税や事業税と違って、ここが少しややこしいところかもしれません。
2018年の1年間で、課税売上高が1,000万円を超える場合、簡単に言えば、1,000万円以上の売上がある場合に課税事業者となります。
前年の1月~6月の間に1,000万円を超えた場合も課税
もしくは、平成31年(2019年)1月1日から6月30日までの半年間で、課税売上高が1,000万円を超えている人や、消費税課税事業者選択届出書を出している人も課税事業者に含まれます。
自ら課税事業者になることもできる
ちなみに、消費税課税事業者選択届出書という、自ら課税事業者になることを選べる制度があるのは、受け取った消費税より支払った消費税の方が多い場合に、その分の還付を受け取ることができるようにするためです。ただし、一度課税事業者になると、免税事業者にもどることは大変難しいので、慎重に検討する必要があります。
確定申告とは別に手続きが必要
これまでに説明した住民税や個人事業税は、所得税の確定申告の情報を基に計算されるので、別途手続きは必要ありません。でも、消費税については別途申告手続きが必要になります。
今年の申告期限は4月15日でしたので、課税事業者の方は、もう手続きが済んでいるかと思いますが、課税事業者に該当しそうな場合は、きちんと計算を行う必要がありますので、毎年早めに申告書を作っておくことをおすすめします。
税額の目安は事業所得に10%を掛けた金額
消費税には課税方式が複数あったり、業種によって違ったりすることがあるので、ここで簡単にお伝えすることはできないのですけれども、本当にざっくりと言うと、事業所得に10%を掛けた金額くらいを用意しておけば、納税資金としては足りるとは思います。
還付金で税金に備えよう
ということで、今回は、確定申告が終わった後にかかってくる3つの税金、「住民税」「事業税」「消費税」について解説をしました。
今回の確定申告で還付金を受け取った方も、これからかかってくる税金があるので、その辺も考えて、還付金は全部使い切らないほうがいいかもしれませんね。
ちなみに僕も、今回は還付金が出たのですが、これから来る税金の見積もりはできているので、その分は取っておこうと思っています。そして余ったお金で、僕はFUJIFILMのXE4というミラーレスカメラを買いました。YouTubeをはじめてからカメラの面白さを知って、プライベート用にもカメラが欲しくなったのです。これを買ってからは楽しくて毎日撮影しています。子どもや、散歩のときの何気ない写真を取ることが楽しみです。
みなさんも、「住民税」「事業税」「消費税」がどれくらい必要になるのかを、今回のブログを参考に考えてみてもらえたらと思います。もし還付金が出たのであれば、それを有効に活用しながら、これから来る税金に備えていきましょう。
このブログでは、主にフリーランスの方に向けて、仕事関係やお金関係、税金だけでなく社会保険や老後資金なども幅広く情報を発信していきます。よろしければ「本ブログの更新通知を受け取る」に登録いただけると嬉しいです。
消費税申告の手引き(国税庁ホームページ)