小林義崇です。
今回からしばらく、フリーランスとして独立するときの準備についてお伝えしたいと思います。といっても、顧客の見つけ方とか、妻の説得の仕方とか、そういった話はありません。僕がフィールドとする税の手続きをメインに、あとは社会保険や役所の手続きにも触れたいと思います。
ひとまず「開業届」についてです。
開業日はいつ?
フリーランスになって最初にやらなければならない手続きが開業届の提出です。税務署に「開業しましたよ」と届け出るものですね。
期限は、開業をした日から1ヶ月以内とされています。ここで迷うのが「開業した日っていつ⁉」ということではないでしょうか。実は明確な決まりはありません。
人によっては、「サラリーマンを辞めた次の日が開業日だ」ということもあるでしょうし、「最初に売上が立った日」や「開店した日」と考える場合もあるでしょうね。大丈夫です。全部問題ありません。
僕の場合、2017年7月10日に東京国税局を退職しましたので、2019年7月11日を開業日として届け出ました。ただ、民間の会社にお勤めの方は、失業手当との兼ね合いを注意した方がいいかもしれませんね。失業手当は失業期間中に給付されるものですから、開業すると支給がストップする可能性があります。
ちなみに、「開業日の支払ったものは経費にできないの?」という疑問もあるかもしれません。これは大丈夫です。というのも、開業日そのものの定義がないので、開業日前の支払いというのは普通にあることだからです。
たとえば、開店日を開業日にした人は、開業費前に、お店の家賃とか機材とかを買っているわけですよね。そういうものは当然経費に入れることができます。正確には「開業費」という項目にすることができるんですね。
逆に、開業日前に売上があったとしたら、これは当然確定申告で収入に加えることになります。「開業日前だから免除」なんてことにはならないので、注意してください。
提出方法
開業届の提出先は3つあります。
- 税務署
- 市区町村の役所
- 都道府県税事務所
それぞれ、窓口に行ってその場で書いて提出することもできますし、ホームページからフォーマットをダウンロードして、記載して郵送するということもできます。
注意していただきたいのは、「控」についてです。窓口で提出すれば、その場で受付印を押された控を受け取ることができるのですが、郵送の場合、提出用だけを送ってしまうと、受付印のある控をもらうことができません。
もし郵送でも控をもらいたければ、提出用と控え用の2枚を作成し、返送用の封筒(切手をつける)も同封して送るようにしてください。そうすれば、後日受付印のある控が送り返されてきます。
この手続きを面倒くさいと感じるかもしれませんが、開業届の控は意外と色々なところで使うことになります。たとえば「小規模企業共済」という事業主限定の共済制度を使うときや、創業融資を申し込むときなどです。
もし、「提出用だけ送ってしまった」という場合、「開業届を出した」ということを自ら証明することが難しくなります。このときは、「開示請求」という手続きをして、税務署等に提出した届け出のコピーをもらうことができます。
ただ、この手続きには数百円の手数料がかかるうえ、コピーをもらうまでに1ヶ月程度かかってしまうので、できれば最初から控をもらっておいたほうがいいでしょう。
会計freeeがおすすめ
僕の場合、開業届に関するすべての手続きは会計freeeで行いました。
元国税局職員ですから、最初は国税庁ホームページから作ろうとしたんですが、これが使い勝手が悪くて……。画面上で入力したり保存するのが難しかったので、会計freeeを試しに使ってみることにしたんですね。
これがめちゃくちゃ便利! 氏名や生年月日など、必要な情報を入力していけば、開業届などの必要書類をプリントアウトできるようになります。
しかも、提出先の住所などの情報も示してくれるので、あとはそこに持参するか郵送すれば手続きが完了します。開業手続きはすべて無料でできますので、これから開業届の準備をされる方は利用されることをお勧めします。