事業復活支援金の申請開始から2ヶ月が経とうとしています。申請しても、書類に不備があると支給されません。僕自身の経験の経験を踏まえて、注意点を解説します。
こちらの内容はYouTube動画でも説明しています。よろしければあわせてご覧ください。
事前確認は登録確認機関で受ける
まず本申請前の事前確認について簡単に触れておきます(詳しくは以前の記事を参照してください)。
事業復活支援金の対象者のうち、「過去に月次支援金や一時支援金を受給したことがない人」は事前確認が必要です。
事前確認は、登録確認機関に書類などをチェックしてもらう手続きです。そのため、登録確認機関を見つける必要があります。
商工会を選ばなかった理由
登録確認機関は、税理士や公認会計士などの士業をはじめ、商工会、信用金庫などさまざまです。また事前確認を受ける際に費用がかかるところと、無料のところがあります。
僕は今回、検討した結果行政書士の方にお願いしました。少しだけその経緯を説明したいと思います。
当初、僕は事前確認を商工会で受けようと考えていました。
他の商工会のことは分かりませんが、僕の地域の商工会では、会員になることを条件に無料で事前確認を行っています。年会費を1万円くらい払うことにはなりますが、1年間は経営相談や補助金申請などのサポートをしてもらえるので、良いと思ったのです。。
ところが詳しく調べてみると、会費以外の負担もあることがわかりました。たとえば青年会のような集まりへの参加とか、地元のお祭りのお手伝いなど…。
こういった集まりはフリーライターという仕事に直接に関わるものではありません。だから、もし会員になることで負担が増えるのは避けたいと思いました。
こうして、今回は他の登録確認機関を検討することにしたのです。
給付金の申請は行政書士が強い
事前確認をおそらくもっとも多く受けているのは税理士です。申請にあたって申告書や帳簿が必要になるので、自然とそうなります。
ただ、僕は元国税なので、帳簿の付け方や売上の集計の仕方などは問題ないと思っています。なので、税理士の専門は、僕の知識と被る可能性が高い。
一方、支援金の申請という行政手続きに関しては僕はほぼ未経験です。なので、不足する部分をサポートしてもらおうと考え、行政書士さんにお願いすることにしました。
事業復活支援金で起きがちな申請ミスと対策
行政書士から事前確認を受けた際、色々なアドバイスを受けました。事業復活支援金は申請ミスではじかれるケースが多いらしく、僕も一部ミスがありました。僕が教わった、よくある申請ミスは次の4つです。
ミス①確定申告書の収受印
まず確定申告書の収受印の問題です。
個人事業主の方は確定申告書の控え、法人は法人税の申告書の控えが必要です。これには受け付けた税務署と日付の記載のある収受印がなければいけません。
紙で確定申告した人は、受け取った控えのスキャンデータを提出します。e-Taxの場合は押印された申告書がありませんので、確定申告の受付メールで代用します。
ここで問題になるのが、次のケースです。
- 収受印が押された控を持っていない
- 収受印が押されているが文字が判読できない
郵送で確定申告書を提出した人は、特別な手続きをしないと控えの書類に押印がありません。郵送するとき、控えをとともに返信用封筒を同封しておかないと、収受印をもらえないのです。
また、控えに収受印が押されていても、確定申告書の文字文字と重なってしまうことは少なくありません。そうするといつ、どこの税務署に出したかを証明できなくなります。
こうした状態では、事業復活支援金の申請ではじかれてしまいます。
納税証明書(その2)で代用する
収受印がない、あるいは収受印が読み取れない場合は、納税証明書(その2)を取得して代わりに提出します。e-Taxの受信メールをなくしてしまった場合も同様です。
この納税証明書は税務署もしくはe-Taxで取れるのですが、ひとつ注意が必要です。
この書類には6つのタイプがあります。今回の事業復活支援金の申請に必要なのは納税証明書(その2)です。間違えないようにしましょう。
なおe-Taxで申請するとPDFデータでもらえます。スキャン不要でそのまま申請に使えるので便利です。手数料もインターネットバンキング払えば済むので簡単だと思います。
ミス②売上台帳の様式
次のポイントは売上台帳に関するものです。
事業復活支援金の給付条件のひとつが、売上高が減っていることでした。それを示すために売上台帳を出さないといけません。
具体的にどういった書類が売上台帳として認められるのか、公式サイトに例が載っています。手間がかからないのは、経理ソフトから抽出した売り上げデータです。その他自分で作ったエクセルデータも、手書きの売上帳のコピーでも問題ありません。
仕訳帳はNG。売上高だけを記載する
ここで問題が起こるのは、「仕訳帳」を提出してしまうことです。実は僕も、事前確認で提出したのは仕訳帳でした。
仕訳帳には売上の履歴はすべて書かれています。だからこれで大丈夫だろうと思ったのです。ところが行政書士によるとダメとのことでした。
事業復活支援金の書類チェックは、アルバイトの方が基本的に行っているそうです。慣れていない方には、売上以外の情報もある仕訳帳ではわかりにくいですよね。それで、売上だけの情報を確認できる書類が求められているのです。
ちなみに、会計ソフトを使っていれば簡単に売上台帳を出力できます。
たとえば僕は会計freeeを使っていますが、指定した期間の売上高にかかる総勘定元帳を出力すればOKです。
会計ソフトからの出力方法がわからないとか、ソフトを使っていない場合は、自分でエクセルや手書きでデータを用意することになります。
ミス③マーカー漏れ
次のよくあるミスはマーカー漏れです。
申請に必要な書類の中に、一取引分の売上を示す請求書や領収書などがあります。これは、売上台帳に記載された取引が本当にあったとものだと証明するためです。また同じ目的で、通帳のコピーも提出することになっています。
この請求書の取引が、売上台帳や通帳のどれに該当するかをマーカーでチェックする必要があります。これも忘れがちな点ですので気を付けてください。
ミス④書類同士の金額の不一致
最後に、書類同士の金額の不一致という問題です。次の3点の金額が合わないと、申請ではじかれる可能性があります。
- 売上台帳の金額
- 通帳の金額
- 請求書などの金額
不一致の場合は理由を記載する
実は、僕の申請書類では、請求書の金額と、通帳の金額が一致していませんでした。その理由は、振込手数料が引かれていたからです。
金額は仮ですが、10万円の請求に対する入金が99,500円といった形です。
このような場合、不一致の理由の記載が必要です。請求書や通帳の余白に、「振込手数料の500円が引かれた」といった記載をしましょう。
その後、僕は事業復活支援金の支給を受けています。なので、金額の不一致だけで申請に通らないわけではありません。ただ、金額が一致している取引を示せるなら、最初からそれを使った方がいいですよね。
事前申請の時点で電子データを用意しておくと本申請がスムーズ
ここまで、よくある申請ミスについて説明しました。収受印、売上台帳、マーカー漏れ、あとは金額の不一致ですね。
僕は行政書士のアドバイスもあって、こういった点をクリアできました。そうして事前確認を終えて、ようやくインターネットで本申請です。
この時にひとつ思ったことがあります。それは「事前確認の際にデータを用意しておくべき」という点です。
本申請ではデータを添付します。だから事前確認で紙の書類を使うと、後でデータ化の作業が必要になってきます。
たとえば事前確認用に通帳のコピーをした後に、本申請のためにそれをスキャンしなければいけないのです。事前確認もデータで行えば、コピーはとらずにスキャンだけで済みます。
僕は事前確認をデータで行ったので、そのまま申請の際に添付するだけでした。いくつか入力する情報はありますが、複雑ではありません。
事業復活支援金を申請するとき、提出書類データの準備が一番のポイントです。事前確認の段階できちんと準備をしておきましょう。
事業復活支援金の情報は、申請要領を見るのが一番
ということで、事業復活支援金のよくある申請ミスについて解説しました。これらについては、僕も事前確認をしてみてわかったことでした。
今回の事業復活支援金は、条件などの資料が多岐にわたっています。元公務員の僕でも、公式サイトから必要な情報を探すのに苦労しました。しかも記載が矛盾しているようなところもありました。
これについて行政書士の方は、申請要領を見るのが一番だと言っていました。
100ページくらいのボリュームのある情報ですが、基本的には必要な情報がここにまとまっています。
概要欄にリンクを貼っておきますので、このブログの記事とあわせて参考にしてください。
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※本記事は執筆時点の情報に基づき掲載しています。制度のルールなどが変わる可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。
[参考リンク]
・【事業復活支援金】事前確認は結構厳しい? 申請前の手順を解説
・【事業復活支援金】書類からわかるポイントと登録確認機関の選び方