こんにちは、よしこばです。今回はMacのPCでe-Taxを使って確定申告をするときの注意点をまとめました。
令和2年分の確定申告は既に終わった方がほとんどだと思いますが、今後も同様の問題が起きる可能性があるため記事として残しておきます。
ちなみに、令和2年分の確定申告からe-Taxを利用すると青色申告特別控除が10万円増える仕組みが導入されています。この追加控除を利用するためにも、毎年確実にe-Taxで確定申告できるように準備をしておきましょう。
こちらの内容は動画でも説明していますので、よろしければあわせてご覧ください。
e-Taxの作業環境
まずは、e-Taxを使う上でMacは条件が厳しいという点について説明します。
MacはWindowsよりも環境条件が厳しい
e-Taxを利用するとき、MacのPCはWindowsのPCよりも条件が厳しくなっています。
たとえばe-Taxにはダウンロード版とWEB版があるのですが、Windowsは両方使えるのに、Macは WEB版しか使えません。
またブラウザについても、WindowsならGoogle Chrome、Microsoft Edge、Internet Explorer、Firefoxに対応していますが、Macの場合はSafariのみです。
Safariのソフト自体は、Macを持っている方であれば、必ず使えるものなのでよいと思います。ただし、いつも別のブラウザを使っているのであれば、e-TaxではSafariしか使えないということを覚えておく必要があります。
M1チップ搭載のMacは不具合がでる
さらに、同じMacでもCPUの違いによって起こる不具合があります。Macは、2020年11月にCPUをインテルのものから自社のものに刷新していて、それ以降のPCにはM1チップというものが搭載されています。ところが、このM1タイプのMacは不具合が出ると、国税庁からも周知されています。つまり同じMacであれば、インテルのチップを搭載した従来型のPCの方が望ましいということです。
非対応の特例申請がなければ、会計ソフトでの確定申告がおススメ
僕は、去年までの確定申告は、普段使っている会計ソフトfreeeの機能を使って行っていました。freeeの機能で国税庁のe-Taxに連携し、そこではMacを使っていてもスムーズに申告することができていました。
今回初めて国税庁のホームページを使うことにしたのは、freeeでは対応していない、自宅買い替えの際の特例の申告が必要だったからです。
確定申告ができる会計ソフトを使っていて、そのソフトが対応していない特例の申請がなければ、会計ソフトを使って確定申告をしたほうがスムーズかもしれません。少なくとも、freeeではMacでも問題なくできていました。
エラー1 マイナンバー認証時
それでは、今回僕が実際に経験したエラーについて解説します。「マイナンバー認証時」と「確定申告データ送信時」の2回僕が経験したトラブルと、その対処法をお伝えしようと思います。まずは認証時のエラーについて解説します。
e-Taxのログインは、マイナンバーカードか国税庁発行のIDを使う
国税庁のホームページの「申告手続き」から、e-Taxのシステムに入ってログインするのですが、ログイン方法が2つあります。マイナンバーカードを使うか、事前に国税庁からもらったIDとパスワードを使うかのいずれかで、僕の場合はマイナンバーカードを使ってやろうとしました。
そこで、マイナンバーカードのリーダーをMacにつないで、カードを挿して読み込ませようとしました。ところが暗証番号を入力した後、これが全然進まなかったのです。インジケーターのライトが点滅していたので、マイナンバーカードを認識しているような感じはあったのですが、「認証中です」のメッセージが出たまま、真ん中のサークルがぐるぐる回っている状態が続きました。30分ほど時間を置いて、何度かやり直してみてもダメでした。
解決策:マイナポータルサイトとの連携
何が原因なのかを考えてみたのですが、マイナンバーカードを読み取る前の推奨環境チェックでは、事前のセットアップはちゃんとされていますよ、というメッセージも出ていたので、動作環境は問題ないだろうと思いました。
もしかしたらカードリーダーか、マイナンバーカード自体に読み取りの不具合があるのかもしれないとも考えましたが、とにかく進まないので、同じようなエラーを解消した人がいないかTwitterで検索してみました。
すると、マイナポータルと連携させれば、うまくログインできそうだという情報を見つけました。やり方は他にもあるのかもしれませんが、僕がとった手順をご紹介します。
マイナポータルとは
マイナポータルは政府が運営するオンラインサービスで、マイナンバーカードと連携させていろいろな行政手続きをスムーズに行うためのものです。
マイナポータルアプリのダウンロードはPCでもスマホでも可能ですが、スマホの場合は、マイナンバーカードを読み込める機種のみ対応しています。僕が使っているiPhone11は対象機種でしたので、スマホでやってみると、ここはすんなりいきました。
マイナポータルサイトを立ち上げる
その後、PCでマイナポータルのサイトを立ち上げ、カードリーダーでマイナンバーカードを読み込ませると、ログインしてシステムの中に入ることができます。
マイナポータルサイトからe-Taxにつなぐ
この次の作業は、マイナポータルと国税庁のe-Taxを連携させることです。マイナポータルのメニューの中にある「もっとつながる」ボタンをクリックすると、いろいろな行政サービスと連携することができるのですが、その中に国税庁のe-Taxもあります。
ここで国税庁のe-Taxを選択すると、そこから再びマイナンバーカードが読み込まれて、これでようやく、確定申告を作る国税庁のe-Taxシステムの中に入ることができました。
対策まとめ:マイナポータルとe-Taxを連携
ちょっと複雑な話なので、改めて整理します。
最初、国税庁のホームページからe-Taxに入ろうとしたら、マイナンバーカードの読み取りができずエラーになりました。そこで、マイナポータルサイトから入ってマイナンバーカードを読み込み、その上で国税庁のe-Taxと連携させたらシステムに入ることができました。
エラー2 データ送信時のエラー
確定申告データの作成が終わって、あとはこのデータを送るだけというところだったのですが、ここでまた引っかかってしまいました。
入力した情報に間違いがないかを確認して、最後、送信ボタンを押した時にエラーメッセージが出ました。アプリを直接クリックしないでください、みたいなメッセージだったのですが、送信ボタンを押しただけで、他には何もしていなかったのに先に進めない状態になってしまい、とても困りました。
対策 昨年のソフトウェアを削除する
再びTwitterで調べてみると、昨年の確定申告で使っていたソフトウェアを削除して、最新版を入れる必要があるということが分かりました。
改めて国税庁のホームページの注意書きをよく調べてみると、確かに、去年のソフトウェアが残っているとエラーが出る可能性がある、と書かれていました。すごく見つけづらい所にあったので、気が付いていませんでした。
e-Taxを始めるときに、セットアップができているようなメッセージが出たので安心していたのですが、実はソフトウェアが最新になっていなかったようなのです。ということで、すでにインストールされていたソフトウェアは削除しました。
対策 最新版の事前準備セットアップツールをインストール
それから最新版のe-Taxソフトをダウンロードしました。ダウンロードする場所を見つけるのも苦労しましたが、国税庁ホームページe-Taxソフトダウンロードから入手できます。
こうしてインストールが完了して、こんどこそ送信!と思ったら、またしてもダメでした。
対策 Safariでe-Taxソフトを有効化する
次に知ったのが、先ほどインストールした最新版のソフトを有効化するために、Safariの設定が必要だったということです。
ということで、Safariの環境設定の中で機能拡張というタブを開くと、その中にe-Tax関係のアイコンが出てきたので、全てのチェックボックスをオンにしました。
改めて先ほどの送信画面に戻って、送信ボタンを押してみると、暗証番号入力画面に進み、ようやく無事に送信できました!
確定申告データ作成中はこまめに一時保存する
e-Taxのシステム自体まだ改善の余地があると思っていて、今回僕が紹介したエラー以外にも、皆様の環境によって別のエラーが出てくる可能性もあると思います。
だから、確定申告データの作成中は、必ずこまめに保存をしておくことをおすすめします。国税庁のe-Taxのシステムはデータの途中経過を保存することができるのですが、自動保存ではありません。クラウドサービスのように自動で保存されると、すごくありがたいのですけれども、残念ながらそうではないので、毎回一時保存ボタンを押してデータをダウンロードしておいてください。
そうすると作業データが保存されますので、エラーが出てしまっても、それを解消してから保存しておいたデータを読み込めば、途中から作業を開始することができます。これも是非気をつけておいていただきたいポイントです。
来年の確定申告に向けて
ということで、今回は僕が経験したMacでのe-Taxのトラブルシューティングについて説明をさせていただきました。
お伝えしたように、Windowsに比べてMacは不利なので、もし両方をお持ちの場合はWindowsのPCを使ったほうがよいと思いますが、僕のようにMacしか持っていないという方は、ぜひ今回の記事を参考にしていただければと思います。
次回の確定申告の際には、いろいろと改善されていることを期待していますが、また新たなエラーが発生する可能性もあると思います。ですので、e-Taxで確定申告をされる前には、国税庁のホームページの注意書きを確認するだけではなく、すでにe-Taxで申告を行った方が、どのようなエラーに直面して、それをどう解消したのかを、Twitterなどで調べておくとよいかもしれません。
それでもe-Taxでの申告がよいと思う理由
こんなにトラブルが続くならe-Taxを使うことはやめよう、と思われてしまうかもしれませんが、お伝えしたように今回の確定申告から、e-Taxで行った場合は個人事業者の青色申告特別控除が10万円アップすることになりました。ですので、ぜひe-Taxでの申請をしてみてほしいと思います。
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【参考リンク】
・国税庁ホームページ(M1のMacを利用する場合)
https://www.keisan.nta.go.jp/oshirase/r2info/info004.html
・国税庁ホームページ(e-Tax推奨環境)
https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_mac_310301.htm
・国税庁ホームページ(事前準備セットアップファイル手順)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/jizen_setup_mac.pdf
・国税庁ホームページ(e-Taxシステムダウンロード)
https://www.e-tax.nta.go.jp/download/e-taxSoftDownLoad.htm
・マイナポータルとの連携手順
https://www.e-tax.nta.go.jp/mynaportal/index.htm