こんにちはよしこばです。
今回は、僕が最近読んだ中で、一番良かった本を紹介します。「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」という翻訳本です。
表向きはマネージャンルの本なのですが、「今しかできない経験にお金を使おう」ということについて様々な角度から語られています。
この本を読んで、フリーランスとして学ぶことが多くありました。どんなヒントがあったのかは、のちほどお伝えします。フリーランスだけでなく、幸福に人生を全うしたいと思うすべての人に本書をお勧めしたいと思います。
こちらの内容はYouTube動画でも説明していますので、よろしければあわせてご覧ください。
本
本書の概要
この本は2020年9月にダイヤモンド社から刊行されました。
著者のビル・パーキンス氏はアメリカの会社経営者で、元々トレーダーとしてたくさんのお金を稼いでいたそうです。
しかしその一方で自身の生き方に行き詰まりを感じて、たどり着いたのがDIE WITH ZERO、つまり「ゼロで死ぬ」という考えでした。
アリとキリギリス。アリはいつ楽しんでいる?
本書のまえがきで、アリとキリギリスの寓話になぞらえて疑問が呈されています。
アリとキリギリスの寓話は、知っている人が多いと思います。アリが夏の間一生懸命に働いて冬に向けて食糧を貯めた一方で、キリギリスは夏に遊んでばかりいて冬になって食べるものがなくて困ったという話ですね。
一般的には、この寓話のメッセージは「まじめにコツコツ仕事をしよう」ということでしょう。そうすれば後で幸せになる、というのが教訓です。
でも、この寓話の中では、アリはいつ遊んでいるのかは語られていません。いったいアリは、いつ、何をして人生を楽しむのでしょうか?
本書では、そのような問題提起がなされています。
人生を楽しみ、お金を使い切る
もちろん、生きるためには働く必要があります。これは真実です。
若いうちからお金を貯めておけば、老後は安定した生活ができる可能性は高まります。僕自身、将来への不安はあり、そのために投資などをしています。
しかし、お金を貯めるために、その時にしかできないことを諦めているとしたら……。それは、本当に楽しい人生と言えるのかわかりません。
本書の著者が勧めている「ゼロで死ぬ」ことは、言い換えると、死ぬ前に自分のお金をすべて使い切りましょうという話です。
相続税調査で驚いたこと
少し余談になりますが、本書を読んでいて思い出したことがあります。平成20年前後、僕が相続税の税務調査を行っていた頃の話です。
富裕層がお金を使えていないという現実
当時は今と相続税のルールが違っていて、調査対象になるのは日本人の上位1パーセントに入るような富裕層でした。
決して裕福な家に育ったわけではない僕は、単純に富裕層の暮らしぶりに興味がありました。僕たち庶民が数十万円、数万円のお金のやりくりで苦労しているのに、相続税がかかる人たちは億単位のお金をもっていたわけですから。
でも、相続税調査を行い、そのお金の使い方や生活状況を知るにつれ、僕は勘違いをしていたことに気づきました。億万長者のご家庭であっても、その生活ぶりは僕らと変わらない方が大半だったのです。
経験できる時にしておかなかった後悔
あの世にお金をもっていくことはできません。そう頭では分かっていても、将来の不安からお金を使えないという方は多いのではないでしょうか?
僕自身も。そうでした。
国税局に勤めていた頃は、お金にいくらか余裕があっても財形貯蓄などで貯める方に回していました。もしくは、対して意味のない浪費もあったと思います。
たとえば、僕は海外に憧れがあるのですが、税務職員の頃は、一度も海外に行きませんでした。早くから結婚をして子どもが生まれた事情もあるのですが、少なくとも独身の頃にもっと海外旅行をしておけばよかったと後悔しています。
そもそも、若い頃の公務員の給料などそれほど高くありません。だったら、その少ないお金を貯めるのではなく、少しでも自分の経験に使っておくべきでした。
ちなみに、2019年のコロナが始まる前、大学4年生の時以来となる久しぶりの海外旅行に行きました。ウラジオストクです。投資家のジム・ロジャーズ氏の書籍をお手伝いしたとき、ウラジオストクの将来性について語られていたので、気になったんです。
行ってみて、成田から2時間程度で行けることに驚きました。そして、やはりとても楽しかったです。コロナでなかなか海外旅行が難しくなってしまった今、ますます行って良かったと思っています。
あのときの写真をいくつか載せておきます。今でも、港町ウラジオストクの写真を見れば、ノスタルジックな雰囲気にとらわれます。
では、どうするか
では、あらためて本の感想に戻りましょう。
「今しかできない経験にお金を使う」というのが本書の提唱することです。その具体的な方法も書かれているので、いくつか紹介します。
お金も時間も、今しかできない経験に使う
今しかできない経験に使うべきなのは、お金だけではなく時間も同様です。
僕には息子が3人います。一番上は中学2年生で、家族全員で行動する時間が減ってきました。これからますます減っていくのでしょう。家族で過ごす当たり前の時間は、非常に貴重だと実感しています。
最近は夕方1時間くらい、子どもと一緒にゲームの桃太郎電鉄で遊んでいます。
その時間の分仕事を増やせば収入は増えますが、今は収入よりも家族で過ごす時間を優先しています。
一緒に遊んだ記憶は、将来僕自身の楽しい思い出になりますし、子どもたちにとっても何か意味のある時間になればと思っています。
あとは、近いうちに家族と海外旅行に行きたいです。以前から、「いつか行こう」と思っていましたが、それでは間に合わないかもしれません。コロナウイルスでより感じますが、「いつか」が来るまでに僕や家族が生きているかわかりませんし、生きていたとしても体力がないかもしれませんからね。
家族のためのお金は生前贈与で残す
DIE WITH ZEROは、自分が生きているうちにお金を使い切ることを勧めていますが、「後に残す家族のことは考えなくていい」と言っているわけではありません。
そうではなく、家族には生前贈与を使ったほうがいいとの考え方を示しています。つまり、相続で財産を引き継ぐのではなく、生前に財産の一部を渡す、ということですね。より早いタイミングで渡すのです。
生前贈与をすると、相手に感謝されるメリットもありますが、それだけではありません。
仮に僕が平均寿命まで生きたとしたら、子どもたちが相続でお金を受けとるのは60歳前後になってからです。その頃にお金をもらっても、あまり有効に活用できない可能性があります。
でも、僕が生きている間に、たとえば子どもが30~40代のタイミングで生前贈与をしたらどうでしょうか。教育や住宅にお金がかかる時期に、お金をもらえる方が嬉しいと思います。
日本には生前贈与を促す制度がいくつかあって、贈与税が免除や減額になることがあります。この特例は住宅取得や教育、結婚のための資金であることが必要ですが、条件を満たせば節税にもなります。
同じように家族にお金を使うなら、相続を待たない方がお互いに幸せかもしれません。
老後の不安は社会保障の不足分だけ用意する
時間もお金も今しかできない経験に使いたい、生きているうちにお金を使い切りたいと思っても、やはり老後が心配だという方も多いでしょう。
将来に備えておくことは必要ですが、やみくもに不安にならないよう、まずは社会保障制度を理解しておきましょう。
社会保障制度の代表は年金です。他にも病気をした時には高額療養費制度があります。所得に応じた自己負担限度額を超えた場合に医療費が戻ってくる制度です。また介護についても保障を受けられます。
どういった社会保障制度があるのか、そして自分がどのくらいの金額をもらえそうかを調べて、足りない分に備えておけばよいのです。
将来必要だと思う金額はみなさんそれぞれですから、備えるための方法とどのくらいの額を備えに回すのかもそれぞれです。
ちなみに僕の場合は、積立NISAや小規模企業共済でお金を積み立てています。
こうして備えているお金以外は、今しかできない経験に使っていきたいと考えています。
なおフリーランスとして将来に備えることについては、以前書いた付加年金に関する記事も参考にして頂ければと思います。
日々自分ができることをするだけ
今回は、「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」という本を紹介させていただきました。
「ゼロで死ね」という本書の帯に書かれた言葉は、それだけ聞くとぎょっとしますよね。でも僕は、自分の命に与えられている可能性をすべて使い切って死にましょうという意味に解釈しました。
誰しもそうですが僕もいつまで生きているかわかりません。この本を読んだことで、お金だけでなく時間の使い方についても考えさせられました。日々自分ができることをしていくことが大事だと、あらためて感じます。
フリーランスは自分で時間を作りやすく、さまざまな生き方を選択できます。一方でお金の面で不安を感じている方もいらっしゃると思います。
そのような方にとって、僕の本やブログ、You Tube動画などが参考になれば嬉しいです。
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※本記事は執筆時点の情報に基づき掲載しています。制度のルールなどが変わる可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。