こんにちは、よしこばです。
もう2月が終わるなあ、と考えていて、会社を立ち上げて半年が経過したことに気づきました。あっという間だったなあ。。
以前、こちらの記事で書かせていただいたとおり、国民健康保険料の高さから法人化を検討し、2018年の8月末に法人化したのでした。
結果として社会保険料は、フリーランス時代(国保+夫婦の年金)から会社員(協会けんぽ+自分の厚生年金)に変わったことで、毎月4万円程度節約できております。ということは半年だから24万円分ということですね。これは大きい。
ただ、ちょっと予定していなかった問題もあり、再検討が必要になりました。今日はそんなお話。
給料を最低限に抑えていた理由
法人化するにあたって重要なことは、給料を決めることです。僕の場合、自分はもちろん、妻も役員になっているので、夫婦の給料をどうするかということですね。基本的に以下のメリデメがあります。
<給料を上げる効果>
・法人の税金が減る
・個人の税金は増える
・個人の社会保険料は増える
<給料を下げる効果>
・法人の税金は増える
・個人の税金は減る
・個人の社会保険料は減る
ということで、給料の設定金額によって税金・社会保険料が変わってきます。で、結論から書くと、「給料は少なければ少ないほどいい」です。やっぱり社会保険料が大きいんですよね。
取材などで税理士さんや事業再生コンサルタントの方に聞いても、やはり経営を安定化する特効薬は、役員給与を下げて、社会保険料を抑えることにあるとのことです。
法人化を考えている方は、「給料は下げる」ということを覚えておきましょう。
給料を下げると、こんな問題が
ただ、給料を下げると問題も起きます。それは、「給料だけで生活できない」というもの。会社のお金と個人のお金は別物ですから、たとえば売上がたくさんあって会社にお金が貯まっていたとしても、社長のプライベートに使うことには問題があります。
会社からの借入金として一時的に使うことはできますが、あくまで貸し借りですから返さないといけない。でも元々給料を少なくしているわけですから、返すのも難しいですよね。
返済が長期間なければ「贈与」とみなされるかもしれません。もし贈与になると、受け取った社長には所得税がかかるのに、払った法人は損金にできないということになるので、税金的にはデメリットが大きいです。
だから、まず生活費を抑える必要がありますし、できれば「個人の支出を法人の支出にできないか」ということを検討する必要もあるでしょう。
法人の支出にできるものって?
これはそんなにありませんが、たとえば車ですね。車を業務用で使っていれば、費用の一部を法人が支払うこともできます。僕の場合、個人名義の車を仕事用で使うことがあるので、「自分が会社に車を貸す」という形で契約書を作り、毎月一定の賃貸料を会社から個人に払っています。
賃貸料は個人の所得税の対象になりますが、社会保険料には関係ありません。なので、これをすることによる効果は以下のとおりです。
・法人税が減る
・所得税は増える
・会社の資金の一部が個人に移る(ここがポイント)
社会保険料節約のために給料は抑えていますから、車の賃料を家計に加えることで、いくらか生活にゆとりができます。とはいえ、あくまで相場程度の賃料に設定する必要がありますので、せいぜい数万円程度ですが。
そしてもうひとつ、僕が試みていたのが、「自宅を会社名義にする」というもの。自宅を会社のものにして、「社宅」として使うという方法を考えました。
これが実現すれば、家計の多くを占める住居費を法人から支払えるうえ、家の管理費や固定資産税、ローン金利、減価償却費を法人税の損金にできますから、節税効果も見込まれます。
ということで、給料を低く抑えるためにも、自宅をなんとかせねば、と考えていたんですね…。
自宅の社宅化はいったん断念します
自宅を法人名義にする場合、2つの方法があります。「贈与」と「売買」ですね。
贈与の場合、前述のとおり税金的にデメリットが多いので最初から考えませんでした。なので売買です。
売買をするには、取引金額を決めねばなりません。ここは僕の場合、知識があったので自分で査定しましたが、一般的には不動産鑑定士さんなどにお願いする必要があるでしょう。
ここで算出された金額を会社から個人に支払い、法務局で名義変更の手続きをすれば完了です。これが無事に進めば、個人に売却資金が入りますから、生活費の不足に充てることもできますね。
この売買資金については、会社の資金から出すべきものですが、足りなければローンを組むのが一般的です。これは個人の住宅ローンよりも金利は不利なのですが、税金や社会保険料のメリットの方が勝るので問題ないでしょう。
ただ…僕の場合、別の問題があったんですね。
というのも、不動産の価格を試算したところ、
不動産価格 < 住宅ローンの残債
という感じだったんです、つまり、取引をしても個人の住宅ローンを返しきれません。こうなると、すでに給料を低く設定しているので、残った住宅ローンを返せないですから、家計は赤字になってしまいます。
給料を上げます
ということで、もくろんでいた自宅の社宅化はいったん諦めました。
で、「自宅の一部を会社に貸す」という方法に切り替えました。自宅の一部屋が仕事用に使っているので、ここを賃貸にしたんですね。もちろん近隣相場に合わせますので、面積から考えても2万円程度の金額です。
これをしても、生活費は足りません。なぜなら、もともと自宅のローン等は会社が払うものとして考えていましたから。当然ですね。
ということで、あとできることは自分と妻の給料を上げることです。
妻の給料は、社会保険の扶養の範囲ギリギリの年間130万円まで上げて、さらに不足するものは僕の給料を上げて対応します。その分、社会保険料の負担は増えますが、仕方ないですね。それでもフリーランス時代の国保や国民年金よりは有利なはずなので、受け入れます。
いずれ、自宅の住宅ローンが減ってきたら、法人名義にすることを検討したいと思いますが、当面は今のやり方で乗り切ろうと思います。