国税庁を装った詐欺メールが流行っています。実は、税金の督促なら、メールやショートメッセージで届いた時点で詐欺だと確定できるのです。文面を読まなくても詐欺だとわかるポイントや注意点を解説します。
YouTubeでもお話ししています。
https://youtu.be/TAA43m0hw18
未納税金を督促する詐欺が増えている
国税庁を装ったメールで未納税金を督促する詐欺が増えているようです。僕の知人の中にもメールが届いた人もいて、SNSでも話題になっていますね。
https://twitter.com/xiaoyu0826/status/1572197127929069572?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1572197127929069572%7Ctwgr%5E323d99e45f00929528043ebdae2d95959a3f07ea%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=https%3A%2F%2Fpublish.twitter.com%2F%3Fquery%3Dhttps3A2F2Ftwitter.com2Fxiaoyu08262Fstatus2F1572197127929069572widget%3DTweet
今どき国税庁からメールで納税エラーのお知らせがくるんだな
支払いなどは会社に言ってくれ← pic.twitter.com/Vb63kxVhPm
— ひおういん@元幼女バッジ狂 (@hiouin) September 26, 2022
Twitterなどで検索してみると、さまざまな文面でメールやSMSが届いているようです。この文面自体がおかしいのですが、実は文面に関係なく詐欺かどうかを見分けるポイントがあります。
督促がメールで届いた時点で詐欺
元国税職員の僕からすれば、メールがきた時点で100%詐欺だとわかります。未納税金の督促がメールでくることはありえないのです。
督促は必ず文書で行われる
税金を期限内に納めていない人に対して行う督促は、税務処分の一種です。法律で定められた手続きで、根拠となる条文があります。
国税通則法の第37条には「督促状によりその納付を督促しなければならない」と書かれています。つまり、本当に未納があった場合には、国税庁から必ず督促状と呼ばれる文書が届きます。そうでなければ法律的な効力は発生しないのです。
メールや電話で「税金を払ってください」というのはありえません。だからメールで督促がきた時点で詐欺だと考えて間違いないでしょう。
基本的に国税職員は外部とメールのやり取りはしない
これは補足になりますが、国税庁の職員は基本的にはメールは使えません。僕が税務署や国税局で働いていた時に使っていたパソコンは、インターネットに繋がっていませんでした。調べもの用に部門に1、2台インターネットに接続されたパソコンがありました。
ただ、それでもメールを外部に送ることはなかったです。メールのやり取りをするのは、業者さんと連絡を取る必要がある部署ぐらい。本当にごく限られた人だけでした。
だから一般の納税者に対して、国税庁がメールを送ることは基本的にありません。そのことも覚えておくといいと思います。
振り込みが指定されていたら詐欺
次にポイントになるのが納税の手段です。
国税の納税方法は4つ
国税の納税方法は今のところ次の4つに限られています
- 現金納付(専用の払込用紙)
- クレジットカード納付(専用サイト経由)
- 振替納税(口座引き落とし)
- e-Tax(電子申告・納税)
このように、納税方法に「振込」はありませんよね。税金の納付のために、指定した口座に振り込みを求めることはないのです。だから、もし届いた通知に振込先が書かれていたら、それは詐欺です。
税金のクレジットカード払いは専用サイトからのみ
クレジットカード払いと現金納付にも注意が必要です。これらの支払方法による詐欺もあるでしょう。
クレジットカードの場合には、支払いサイトがポイントです。国税の場合には、必ず専用の「国税クレジットカードお支払サイト」を使います。指定されたサイトが、このアドレス(kokuzei.noufu.jp)かどうかをチェックしてください。これ以外の場合は怪しいですね。
現金納付で使うのは専用の払込用紙
メールではなくて文書と払込用紙が郵送されてくる詐欺もありえます。「払込なら大丈夫」だと思わずに、まず書式をチェックしましょう。
税金払込の書式は定められています。ピンク色の印字で、記入するところの枠はオレンジです。これを使って銀行や所轄の税務署で税金を納付できます。
もし督促状や払込用紙が届いた時には、税務署に相談するのが一番です。用紙を持っていけば、職員はすぐに国税の納付書かどうかがわかります。銀行でも正しい書式はわかるはずです。払う前に、納税のためにこの用紙が使えるかどうかを聞いてみてください。
問合せ先の電話番号は税務署のものか確認
最後のポイントは問合せ先の電話番号です。詐欺の通知にも問い合わせ先が書かれている場合があります。でも、いきなり電話をかけるのはやめましょう。
詐欺の場合、電話先の相手は国税職員のふりをしていろいろ嘘をついて案内しますよね。まずはその番号が所轄の税務署の電話番号かどうかを確認してください。
住所地の税務署か納税コールセンターの番号なら連絡しても差し支えないでしょう。納税コールセンターというのは、国税局が管轄している組織です。いくつかの県をとりまとめて、納税者への案内とか文書の発送をしています。この電話番号は国税庁のホームページで確認ができます。
記載された問合せ先が税務署でも納税コールセンターでもなかったら、かけてはいけません。また、問合せ先がメールの場合は返信しない方が安心です。不安があれば、税務署か納税コールセンターに電話で問い合わせてみるのがいいと思います。
まとめ。ここに気を付けて詐欺を見抜く
最後に、ここまでお伝えした詐欺を見分けるポイントをまとめておきます。
- 文書以外、メールなどによる税金の督促はない
- 振り込みでの支払いはありえない
- クレジットカード払いの際のサイト、払込用紙の書式は決まっている
- 書かれている電話番号は税務署か納税コールセンターの番号か
この基本的なポイントを押さえておけば、詐欺にあうリスクは下がります。ぜひ参考にしてみてください。
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※本記事は執筆時点の情報に基づき掲載しています。制度のルールなどが変わる可能性がありますので、最新の情報をご確認ください
【参考リンク】
・不審なショートメッセージやメールにご注意ください(国税庁ホームページ)