きっかけは、先日記事にした、小規模企業共済制度でした。
小規模企業共済を使ってないフリーランスは、かなりマズイと思う – よしこばブログ
開業して間もないですが、早速この制度に加入しようと思って、申請書を書いていたんですよ。
すると、添付書類に「開業届」が必要ということだったんですね。
(開業2年目以降の方なら、確定申告書の控のコピーでも可)
この開業届とは、個人事業を始めたときに、
税務署に届出をするものなんですが、
期限は「開業から2ヶ月以内」ということだったので、
とりあえず後回しにしていたんです。
今申請しているマイナンバーカードが届いたら、e-Taxで申請しようって。
でも、それを待っていると、
開業届の提出が遅くなる
→お得な小規模企業共済の積立額が減ってしまう
→自分にとって損である
ということに思い至ったんですよ。
ですから、もうe-Taxじゃなくてもいいから、
開業届とか出しちゃえと思って、国税庁のホームページから、
開業届の様式を探し出しました。
こちらです。
オリジナルの様式を使おうとして、痛い目をみた
「うわ、やっぱりPDFかよ……」
と、手書きで全部書かないといけないのかという不安がありましたが、
このPDFを開くと、一応、記入欄に、入力できるようになっていました。
「なかなかやるね」と思い、いざ入力しようとすると……。
「日本語入力できんやんけ!!」
という状態に。
税務署名に「越谷」と入れたいのに、
何度試してみても、
koとでます。ko ko ko ko ko…
キーボードの入力方式を変えて何度試してもダメ。
すこし泣きそうになりながら、検索してみると、
どうもPDFのソフトの環境設定をしなくちゃダメだったみたいなんです。
僕が参考にしたのは、このページでした。
日本語を入力できない(Windows 版 Adobe Reader X 10.1)
こうして何とか「越谷税務署」と入力できたものの、
なんだか、PDFに無理して入力しているせいか、やたら挙動が遅い。
しかも、途中まで入力した時点で、保存しようとしたら、
「このフォームに入力したデータは保存できません」
とのメッセージ……!
ついこの前までいた職場に向かって、あまり文句は言いたくないのですが、
お粗末!!
まあ、それから、一応なんとかしようと思いましたよ。
一旦印刷してからスキャナで取り込もうかとか、
PDFをスクリーンショットで保存するとか、ね。
でも、おそろしく面倒くさい。
作る書類も複数あるわけですから。
そんなとき、ちょっと気になるものがあったんです。
「開業届」で検索すると、一番上に出てきたこのページ。
クラウド会計の「freee」のページです。
freeeはもともと知っていて、これから帳簿を作ったりするのに使おうか検討していたんですが、
開業届の作成から、できるみたいなんですね。
「お」と思って、やってみることにしました。
freeeを使ったら、開業届が一瞬で完成した!
もうね、これが本当に驚くような体験でした。
アカウントを取って、スタートすると、いくつかの質問事項があり、
それをポンポン入力していったんですよ。
こんな感じで。
だいたい10個程度答えたでしょうかね。
大した手間ではありませんでした。
そして入力完了を押すと、
なんということでしょう!
必要な書類が、すべてできあがっていたのです!!
具体的には、
- 個人事業の開業・移転・廃業届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
- 青色専従者給与に関する届出書
僕が回答したものから、必要な書類をピックアップして作成してくれたんです。
それぞれ、ちゃんと控まで作成されました。
いやあ、元国税職員でありながらお恥ずかしい限りなんですが、
「納期の特例の承認」はすっかり頭から抜けていましたね。
たしかにこれを出しておくと、後々の手間が少なくなるので、いいんです。
最後に感動したのはiPad Proについて
こうして無事に書類ができあがったわけですが、
ここまで来て、はたと、iPadで作業していることに気づきました。
「iPadって、印刷できないんじゃ?」と一瞬絶望しかけました。
これまで、印刷はやろうとしたこともなかったんですよね。
でも、できましたよ。
右上にあるアイコンをためしに触ると、「印刷する」があるじゃないですか!
しかも、まったく設定した記憶もないのに、自宅のプリンタと接続されています。
「まじかよ」
と思いながら、プリンタに紙をセットすると、
出てきましたよ、もろもろの書類一式が!
これにマイナンバーを記載して、印鑑を押せば完成です。
しかもご丁寧に
提出する越谷税務署のラベルがあったのが、また素晴らしい。
これを封筒に貼って、書類を封入して投函すれば、ミッションコンプリート。
(控に収受印が必要な方は、控を同封した上で返信用封筒も同封しましょう)
あれだけ国税庁のホームページで四苦八苦したのが嘘みたいな手軽さでした。
もうね。
別に国税職員としてホームページの設計に関わったこともないですけど、
浦島太郎状態というか、あまりのレベルの違いに慄きました。
たしかに、開業に関わって出す書類っていろいろあるんですけど、
記載すべきことって、かなり重複してるんですよね。
住所とか氏名とか、その都度書類に書くのって面倒じゃないですか。
しかも、そのなかのひとつが間違えていたりすると、税務署としても手間なわけです。
だから、今回のシンプルすぎる手続きには、
未来が見えた気がしたというか、
本当に近いうちに、お役所の存在意義が問われることになるような気がしました。
ちょっと大げさですけど。
ともあれ、freee、オススメです。
とりあえず開業届などはすべて無料で作成できましたので、
必要な方は以下のリンクから登録してみてはいかがでしょうか。