こんにちは、よしこばです。
先日の投稿に関連して、今回は「ライターの収入」についてお伝えしたいと思います。
最近、僭越ながらライター志望者の方から相談をお受けすることも増えてきているのですが、やはり皆さんいちばん不安に思われているのが、「ライターで食べていけるの?」という点のようです。
僕自身も、独立前には「ライターになるとどれくらいの収入になるのかな?」というのは正直読めませんでした。ときどきランサーズなんかを見て、「1文字0.2円」のような案件は見て不安を増していたようながします(笑)。
ただ、色々な仕事の経験も増えてきた今、独立前に考えていたイメージとは違う部分も見えてきましたので、ライター独立10ヶ月目のリアルを記事にしようと考えました(とはいえ、あくまで僕個人のケースであり、一般化されたものではありませんので、その点はご理解ください)。
ここから具体的な単価ごとにお伝えしますが、1記事3000語程度の単価をイメージしていただければと思います。
ちなみに、こうした記事単位の収入のほか、紙の雑誌や書籍の仕事も受けていますが、それらはボーナスのようなもので、現状は記事単位のお仕事とが収入のメインです。
〜1万円のお仕事
ライターデビューして最初の頃は、この価格帯が多かったですね。当時は、「とにかく仕事の経験を積まねばならぬ!」ということで、単価はあまり考えず、お声掛けいただいたお仕事はすべて受けていました。
今となっては正直、「少ないかな」と思う価格帯なので今は受けていないのですが、当時の経験は確実に今に生かされていますので、受けて良かったと思っています。ライターデビューしたての自分にご依頼いただいた方には感謝しかありません。
ちなみに僕がお受けしたことのある仕事で最も単価が低かったのは、1記事約300円のもの。芸能ネタのブログ記事でした(笑)。
また、記事執筆ではありませんが、ほかのライターさんの取材音声をテープ起こしする仕事も結構やっていて、そちらは5,000円前後でしたね。この仕事も栄養になりました。取材の流れや作法などを学ぶことができたので。
いきなり独立すると何事も自己流になりがちですが、プロのライターの方のインタビュー音声を聞いて学んだことは少なくありません。「すごいなあ」と思いながら聞いていました。もちろん、タイピング速度も上がったはず。
1万円〜3万円のお仕事
WEB媒体の場合、この価格帯がもっとも多いです。取材なしだと2万円弱、ありだと3万円に近づく感じ。
ときどき、ご依頼をいただく方から見積もりを求められることもあったのですが、提示していたのはこのあたりの金額でした。見積もりなんて公務員時代は当然出したことがなかったので困ったものですが、そのときに計算した流れは以下のとおりです。
(公務員時代の給料を時給換算)✕(見込み作業時間)
そうするとだいたい2万円くらいだったんですよね。ただ、今はこの、いわゆる「時給思考」は採っていません。間違ったやり方だったかもとさえ思っています。その理由は後ほど説明しますね。
3万円〜5万円のお仕事
こちらは、さきほどの3万円未満のお仕事と同じような案件なのですが、「企画を立てる」「構成を考える」「取材対象者へのアテンド」といった追加のタスクがあるもので、その分単価を上げていただいているというもの。
これも独立前はあまり考えていなかったのですが、ライターの仕事って、いわゆる「書く」だけではないんですよね。公開できるものに仕上げるには色々な段階があって、その各段階をライターや編集者、WEBデザイナーなどが分け合っているわけです。なので、自分で取り込める仕事があれば、その分単価は上がります。
ちなみに、マーケティングの世界では「アップセル」という考えがあり、たとえばハンバーガーを買いに来たお客にポテトをすすめるような手法なのですが、どんな業界でも使える考え方だと思います。
ライターなら、たとえば、
- 企画を立てる
- 取材対象者を見つける
- 日程調整をする
- 取材場所を探す
- カメラ撮影する
- インタビューをする
- テープ起こしをする
- 構成を考える
- ライティングする
- 編集する
- 校正する
- といった感じでしょうか。
僕はときどき、「カメラが撮れればいいのにな」と思うことがあります。いつもはインタビューにカメラマンの方に同行していただいているのですが、ライターが撮影できれば別途撮影料をいただけることもあるからです。ただ、プロのカメラマンのように重い機材を用意して撮影するは難しいかな、と思いますし、何より技術が追いつくまでの時間がもったいないかも……。
5万円超のお仕事
今年に入ってから少しずつ増えているのが、このあたりの高価格案件です。
正直、最初の頃はビビりました。なにしろ、前述した時給換算の倍近い価格ですからね。ただ、今はそうした考え方は改めました。
というのも、クライアントにとっては、よしこばがどれくらいの時間をかけて作ったかは関係なく、あくまでその仕事の価値に応じた報酬を払ってくださっていると思うようになったからです。今は、とにかく期待に応えられるようにすればいいのだと思っています。
もともとあった「時給思考」だと、どうしても収入に限界がありますから、いずれ行き詰まってしまうかもしれません。もちろん、早く仕上げることは大切ですが、スピードアップには限界がありますから、やはり仕事の単価そのものも上げていかないと辛くなってしまうでしょう。
それにしても、なぜ僕に高額なお仕事が舞い込んできたのでしょうか。
今考えると、それは「自分だからできる仕事」だったからにほかなりません。そんなことを自分で言うのもはばかられますが、僕の場合、やはり「東京国税局で13年間勤務していた」という経験が生かされる案件が高報酬となっています。
たとえば先日のインタビューでは、
「64の2を使えば後継者に保証債務がいかないしオーナーも節税できる」
という感じの話がありました。これは、税の知識のない方にとっては、おそらく何を言っているのか分からないと思いますし、聞き直しても理解するまでに時間がかかるはずです。
でも僕は、「保証債務の弁済のために不動産を売却しておけば、後継者に保証債務を負担させるのを避けられ、さらに所得税法第64条第2項のルールを使えば、不動産を売却したときの必要経費を増やせるから所得税も抑えられる」という情報をすぐ読み取れます。ライターの経験があるので、おそらく税のプロがそのまま書くよりも分かりやすく伝えることもできるでしょう。
こういう、”自分だからこそ”というジャンルを見つけられると、ライターの活躍の場は広がります。僕の場合は税金ですけど、美容なり、エンタメ、健康、教育、スポーツなどあらゆるジャンルについて、専門的な知見があり、そうした専門性にキャッチアップできるライターは常に求められていると思います。
そうして考えると、僕のように未経験からライターになる人も、別に不利だと思う必要はないんですよね。それまでの経験をライターとして活かせば、ほかの人には出せない価値を生み出せます。
ただ、いきなりそういう仕事に巡り会えるとは限らないので、じっくり待つことも必要でしょう。「自分は何者か」を発信しながら、自然とそうした専門的な仕事に運ばれていくのを気長に待つのが良さそうです。