こんにちは、小林です。
つい先日のことなのですが自著の「すみません、金利ってなんですか?」の発行部数がついに10万部を突破しました。これは応援していただいている皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
今回、この本の発行部数が伸びていくなかで、何となくですが自分の仕事や生活、もっと大きく言ってしまえば人生が変わろうとしていると感じました。
ということで、今回はこの本のことや、僕に起きている変化、そしてこれからのことについて、お話をしたいと思います。
※本記事の内容について、You Tubeチャンネルでもお話しています。ご希望の方は以下のリンクからご視聴ください。
印税収入だけで一生安泰はない
まずは、お金の話ですね。今年3月の発売以来、販売部数が3万、5万、10万と伸びていくなか、「めちゃくちゃ印税入るんでしょ」「一生安泰だね」なんてことを言われることがあるんですが…実際はそんなことはありません。
これは出版に携わっている方であればご存知のことだと思いますが、本の印税は、基本的に販売価格10%以内に設定されています。ただ10%まるまる貰えるのは滅多になく、ベストセラー作家として名のある方くらいと思われます。
実際に適用される印税率は出版社のルールによって違いますし、ライターの方などに協力していただいたりすると、その分、率は下がっていきます。
僕の場合いくらだったのか、という話は、出版社との契約も絡む話なので、お答えすることはできないのですが、10万部売れて、とても一生安泰と言えるような金額ではないんですね。
そもそも、僕の手元に印税が入るまではタイムラグがあり、電子書籍やオーディオブックが出ていたりするので、今の時点で明確な金額は分からないのですが、おそらく公務員時代の給料1年ないし2年分くらいだと予想しています。
もちろん、これだけの報酬をいただけることはとてもありがたいことです。でも、まだまだ引き続き仕事を頑張らないといけないことは間違いありません。
仕事への影響 表に出る仕事が増加
次に仕事への影響の話ですね。本が売れたおかげで、新しいタイプの仕事が増えています。
これまで僕の仕事は、基本的には表に出ないものでした。インタビューをしたり、資料を調べたりして、それを文章にする、という形ですね。
そういったお仕事は好きでやりがいも感じているので今後も続けていくのですが、本が出たことで、僕が表に出るタイプの仕事が増えてきたんです。
たとえば、先日は雑誌の女性自身から取材をしていただきました。安倍政権から菅政権に変わったことによる、金利への影響について取材を受け、僕の意見が紙面に載りました。こういうお声がかかることは、これまでは考えられませんでした。
あとは、晋遊舎から出ているムック本の監修を依頼され、なんと1冊まるごと担当しました。これが全国の書店に並んでいます。紙面のあちこちに僕の写真も出ていて、正直、恐縮しますね…。この本は節税に関する情報を網羅しているので、ぜひ皆様のビジネスにお役立てください。
また、オンラインの生放送コミュニティ「Schoo」の番組に出演し、自著についてインタビューされる様子を放送されました。リアルタイムで視聴者の方から質問を受けて、かなり緊張をしました。この動画のアーカイブはSchooの有料会員であればご視聴いただけます。
ということで、これまでのライターとしての仕事とは少し違って、自分の名前や顔が表に出るタイプの仕事が増えてきました。
「すみません、金利ってなんですか?」が生まれたのはまったくの偶然
それでは、これまでにお話した僕の身の回りに起きた変化を踏まえ、これから何をしていくのか、という話をしたいのですが、その前に少しだけこの本が出るまでの経緯についてお話をさせてください。
この本をお読みくださった方はお気づきかと思いますが、少し変わった本になっています。僕の本ではあるのですが。表紙にあるように登場人物が2人いて、会話形式で書かれています。
表紙の右側が僕で、左側にいるのが梅田さんという方。梅田さんは、この本の担当編集者の方で、この本の企画を立てたのも梅田さんです。この本は、梅田さんが、お子さんが生まれたことを機に、自分がお金の知識がないことに問題意識を感じて企画されたものだったんですね。
この本のまえがきは梅田さん自身によるもので、ここにこの本がでるまでの経緯に触れられています。少し引用しますね。
というわけで、本づくりと称して自分のために、「世界一ハードルの低いお金の本」をコンセプトにした企画を立てて、著者の先生探しを始めました。
ところが……僕が素直に無知ぶりを打ち明けると、どの著者候補の先生も難色を示すのです。
「だって梅田さん、そんなことカンタンすぎて、とても本にはなりませんよ」
そう、厳しく助言してくれる人がほとんど、という状況でした。
「この企画はボツなのか? いつまで経っても、お金知識ゼロのままなのか?」
なかば諦めかけていたところ、僕の目の前に救世主のごとく現れたのが、本書の著者である小林さんでした。
小林さんとは、ある集まりで名刺交換をしたところから、ご縁がつながりました。
当時「国税局」に勤めていた小林さんの名刺を見た瞬間、企画で頭がいっぱいだった僕は「お金関係の人!!」と即座に強く反応しました。
その優しい口調に「このひとなら何でも答えてくれるかも」と心を許し、初対面なのに自分の悩みを堰を切ったように吐露し続けた結果……小林さんだけがただ一人、僕の語る企画に共感し、賛同してくれたのです。
こういうふうに書いていただけると恐縮してしまいますが、僕と梅田さんが会ったときはこういう状況で、すでに企画ができている状態だったんですね。
ただ、お会いした時点では、その企画の話は聞いたものの、僕の本になるとは思ってもみませんでした。あのときは僕はまだ国税局の職員で、これからライターとして独立しようと考えていた頃。だから、「ライターとして手伝えることがあればよろしくお願いします」という気持ちだったんですよね。
だから、あの出会いがこんな形で本になって、現実に10万部を突破したというのは僕自身驚きでしかないのですが、今から考えると、僕が「本を出したい」と思っていなかったからこそ、こういう本ができた気がするんです。
もし僕がひとつのことを追求する専門家で、自分が書きたいテーマがあったのなら、梅田さんからオファーが来たときに、同じように「それじゃあ本になりませんよ」と答えたかもしれません。
でも、僕自身に書きたいテーマがなかったこと、さらには専門家という自覚もなかったことが、結果的にいい方向に進んだんじゃないかな、と。そして、たまたま元国税職員でお金まわりの基本は押さえていたので、うまく企画にハマったのではないかと思っています。
ただ、誤解していただきたくないのが、僕は「本を出したい」」という熱意のある方を批判するつもりはないんです。むしろ、そういう方をお手伝いしているブックライターという仕事にあこがれて、ライターの世界に飛び込んだわけですから。深い知識のある専門家の熱意によって生まれる価値があることも間違いないと思います。
今回の本が売れたのは、梅田さんの熱意によるところが大きいです。そこに僕が関わらせていただけたのは、本当にラッキーでしたね。
今後の活動について
ということで、僕としては本当に偶然に本を出すことになり、その反響に驚いているわけですが、気持ちの面で変化もあったので、最後にお話したいと思います。
何が変わったかというと、「表に出る」という覚悟ができたことなんです。
この動画をご覧の方は感じていらっしゃるかもしれませんが、僕はもともと表に出て話すことが得意な人間でありません。人を惹きつけるカリスマ性みたいなものも持ち合わせていない。まあ、新卒で公務員を選ぶような人は基本的にそうだと思います。表に出て目立ちたければ、きっと他の職業を選びますよね。
本が売れる前から、薄々と、ライティングよりも、話したほうが伝わりやすいことはあると思っていて、動画コンテンツを作ることは頭に入れていました。でも、なかなか行動に移せなかったんです。
でも、この本が売れたことで、身近なお金の問題で悩んでいる人が少なくないことを知り、会話形式ではないにせよ、僕の口から説明することに、何か意味があるんじゃないかな、と思ったんですよね。
ということで、まずはYou Tubeチャンネルを始めました。これからはYou Tubeでは身近な情報を発信して、もう少し専門的な話は体系的な形で動画コンテンツをまとめようと思っています。
ということで、今回は長くお話をさせていただきました。本当は本をお読みいただいた10万人の方にこの動画を見ていただきたいところなんですが、まだまだ視聴数も少ないので、また折を見てお伝えしていきたいと思います。
これからも、お金に関する身近な話題を、僕の実体験を踏まえながらお伝えしていきますので、よろしければYou Tubeチャンネルや、このブログの更新通知の登録をお願いします。