こんにちは、よしこばです。
僕は普段、フリーライターとして、WEBの記事を書いたり、ブックライティングをしたりして生計を立てています。
最近の仕事であれば、田坂広志先生のインタビューや、ジム・ロジャーズ氏の書籍が形になったものです。
つまり、基本的に僕が前面に出ることはなく、どちらかといえば裏方の仕事なわけです。
ところが、実は自著の出版依頼をいただきました。出版時期はまだ確定していないのですが、おそらく今年中に1冊、来年に2冊めが出ます。
ということで、今回は、自著を出すプロセスについてご紹介したいと思います。
自著を出すのは難しい?
僕はあまりそういう感じではないのですが、「自分の本を出したい!」と思う人はそれなりに多いようです。そういう方に向けたセミナーや勉強会も知っていますし、エージェントに高い報酬を払っている人もいるようですね。
企画書の作り方を学んだり、出版社との接点をもったりと、たしかに役立つ内容ではあるらしいのですが、実際に出版が実現したという話を聞くのは稀です。
そうしたセミナーの主催者も、出版を確約していないと思います。なぜなら、自費出版でもない限り、出版社の厳しい審査を経るからです。
私も、自著ではないのですが、ご相談を受けて他の方の企画を出版社に提案することがあります。しかし、ほとんど通ったことがありません。直接僕と接点をもつ編集者から興味をもってもらえても、社内の企画会議を通らないということも少なくない。
とくに初めて著書を出すような人の場合、「売れる」という確証が何もないので、出版社としてもなかなかGOは出せないという状況のようです。
そういった意味では、初めて本を出す人は、「SNSのフォロワーが1万人」とか「ブログのPVが100万人」など、強みをアピールすることは意味があるのでしょう。
編集者は忙しい
僕もずいぶんとたくさんの編集者さんとご一緒させていただいていますが、皆さんとても忙しいです。正直、ライターの僕よりもぜんぜん忙しいと思います。
編集者さんって、文章を編集するだけが仕事ではありません。取材の企画を立てたり、取材日程などのアテンド、紙面の構成づくりなどなど…よくこんなに仕事できるな、と思うくらいです。
そうしたなか、出版企画の提案もよく編集者さんのもとには舞い込みます。ですから、その企画書をつぶさに読むなんてことはできませんし、よほどの内容でなければ、実際に会って話をしようということにもならないでしょう。
ある編集者さんは、「タイトルと著者プロフィールだけを見ている」と話していました。企画を立てる方としては、目次案などにも力を入れているのですが、あまり見られていないわけですね。
なぜ僕の自著が出ることになったのか
このように自著の企画を提案しても、出版にこぎつけるのは相当難しいのが実情です。では、なぜ僕の自著が2冊出ることになったのか、そのあたりのお話を最後にしたいと思います。
実は、いずれの場合も、僕から企画を立てて出版社に提案したものではありません。先方から、「こういう企画で書いてもらえませんか」と持ちかけられたものです。
A社、B社ということにして、それぞれ説明したいと思います。それぞれ、ある程度名の知られた出版社です。
A社については、「身近なお金問題」をテーマにした企画を提案されました。もともと、他の著者さんを立てる予定だったとのことですが、内容がかなり初心者向けということもあり、普通の専門家さんからは断られていたようなんですね。
僕の場合、別に専門家としてのブランディングなんてありませんから、お受けすることにしました。で、なぜこれをお願いされたかというと、僕が「元税務職員だから」という理由。「なんとなくお金に詳しそう」ということだけです。
A社の編集者さんについては、ライターとして独立して間もない頃、ある交流会を通じて知り合いました。そのときは、「ブックライターとして何かお手伝いできることがあれば」とお話していたのですが、まさか自著の依頼をいただくとは思ってもみませんでしたね。
B社の場合は、不思議な経緯でした。ある雑誌のインタビューでファイナンシャルプランナーの先生を取材させていただいたことがきっかけです。
この先生が、元編集者ということで、出版社に企画を持ち込む仕事をされていたんですね。で、「確定申告の本」という企画を立てられ、僕に「本を出しませんか」とご連絡をいただきました。
僕は名刺に「元東京国税局職員」と入れていて、これは会話のとっかかりとして役立っているんですが、この印象が強かったようで、まさかの自著につながったわけです。
まとめ 本を出したい人がやるべきこと
このような経緯から考えると、必要なことは2点です。
・出版社、もしくは出版社とつながりのある人と接点をもつ
・自分の専門性をアピールする
これだけ。
どちらか一方だけでは出版は難しいと思います。
なので、自著の出版セミナーに参加する前に、まずはご自身の専門性を洗い出してみるのが一番で、さらにはその専門性に市場があるのかを考えなくてはなりません。